<レヴュー>
かつてここまで「日本」を描いたハリウッド映画があったでしょうか。明治に忍者が出てくるなど、確かに変な所はありますが、揚げ足取りはやめましょう。この映画はハリウッドながら、それらしからぬ要素が多々あるのです。インディアン討伐を否定的に描いている所や、主役(侍)が最後に敗れる所などがそうですが、後者はむしろ滅びゆくものに美を見い出そうとする、日本的な観念とすら言えます。士族たちの反乱は明治維新を遅らせたとも言われますが、彼らは忠義・誠実・勤勉など日本的な価値を、死を賭しても守ろうとした。それは今日においても尚、我々が忘れかけているものではないでしょうか。ラストサムライ万歳!今再び「日本」世界に紹介してくれたトムとズウィック監督に感謝します。
|