<レヴュー>
名優ジョディ・フォスターの地位を不動のものにしたサイコサスペンスの金字塔的作品。しかしこの映画は単に猟奇的というだけではありません。主人公のクラリスは幼い頃父を亡くし、その後預けられた牧場では叔父が羊を殺しているのを助けられなかった、という無力感・罪悪感のトラウマを抱いています。レクターはクラリスに「羊たちの悲鳴は止んだか?」と聞きますが、この作品は主人公がFBIに入隊して他人の命を救うことによって、自分の過去を乗り越えトラウマに打ち勝っていくという物語になっているのです。レクターは狂人ですが、クラリスを過去と向き合わせ、その手助けをした恩人と見ることもできるわけですね。 |