<レヴュー>
戦争から60余年、ケータイとパソコンで何でもできる時代になりましたが、この国がその代償として失ったものはそれより遥かに大きいように思います。この作品はまだ貧困や戦争の爪痕が残る時代のお話ですが、「家族」と「地域社会」がまだ生きていたため、人々は貧しくても助け合って生きていくことができた。なぜ豊かさを手に入れた今の日本人に自殺者が多いのか、その答えがそこにあるように思います。だからといってこの映画は単に「昔に帰れば良い」と言っているわけではありません。ただ少し立ち止まって振り返り、皆で一緒に今日の夕日を見ようじゃないか。「ALWAYS 三丁目の夕日」はそんな映画です。 |