<レヴュー>
自分の愛をうまく表現できず、それをはっきり自覚した時には、それはもう手の届かぬところへと行ってしまっている。本当に大切なものは失ってみないと、その大切さに気づくことができない。つくづく人間は悲しいイキモノです。「セカ中」の監督ですが、いわゆる純愛ものを期待しいてると裏切られるかも。物語は実に淡々と進んでいく感じで、「泣かせてやろう」的な映画では決してありません。しかし、大胆に表現された日本の風景や、西欧化された華族階級の晩餐会のもようなど、美しい映像の数々がこの作品に命を吹き込んでいます。時代の宿命に翻弄される二人に、あなたは真なる愛の姿を見ることでしょう。 |